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ガイドライン品目別2026.07.08

リハビリテーションロボット 医療機器許可ガイドライン

機械・電気・ソフトウェア・臨床が一つの製品に集約されるリハビリロボット。等級(クラス)判定と臨床資料という最大の変数から、試験項目の全体地図、挟まれ・転倒・過負荷を軸としたリスクマネジメント、患者と療法士という二重ユーザーのシナリオまで — 複合審査品目の攻略法を整理しました。

要点サマリー — リハビリロボットは、機械・電気・ソフトウェア・人体との相互作用が一つの製品に集約された複合審査品目です。等級は通常クラスII〜IIIの範囲で分かれ、最大の変数は臨床資料が求められるかどうかです。審査資料の軸は五つありますが、原則は一つ — 電気・機械・ソフトウェアの文書が互いに同じ製品を説明していること、そしてそれらが開発と同時に作られていることです。

リハビリロボットの審査資料5軸 — 機械・電気安全、ソフトウェア、性能、ユーザビリティ、臨床評価

なぜ「複合審査」なのか

歩行リハビリ、上肢訓練、筋力アシスト — リハビリロボットは、審査官が確認すべき軸が五つあります。個々の軸は他の品目にも存在しますが、五つが同時に、しかも互いに絡み合った形で要求される点がこの品目の難しさです。審査の問いを一文に縮めると、こうなります。「人と力をやり取りする機械が、ソフトウェアの判断どおりに動いたとして、患者は怪我をしないか」。この問いに対して、機械・電気・ソフトウェア・ユーザビリティ・臨床の各資料が、それぞれの言語で答えなければなりません。

MFDS(韓国食品医薬品安全処、旧KFDA)もこの特殊性を認め、「リハビリロボット 許可・審査ガイドライン」(民願人案内書)を別途整備しています。品目分類と細分化の方法、基礎安全・必須性能を扱う文書で、開発初期に一度は通読する価値があります。

等級判定:標榜文言が半分を決める

代表的な品目である「ロボット補助整形用運動装置」(筋の再建・関節運動の回復に用いられるロボットシステム)は通常、上位の等級で検討されますが、構造や使用目的によってはクラスIIの範疇に分類される構成もあります。期間の目安は、認証(クラスII)でおよそ3〜4か月、許可(クラスIII)でおよそ6〜8か月 — 臨床試験が求められれば、その期間がまるごと上乗せされます。手続きの全体像は認証(クラスII)ガイドを参照してください。

等級判定の出発点は、「医療機器の品目及び品目別等級に関する規定」の品目定義と、自社製品の使用目的の文言を突き合わせる作業です。同じハードウェアでも、使用目的をどう書くかによって該当する品目が変わりうるため、この文言はマーケティングではなく規制の観点から先に整えておく必要があります。

注意すべきは標榜文言です。「訓練・運動器具」として開発したとしても、マーケティング上の表現がリハビリ効果・治療効果を含んだ瞬間に、医療機器該当性と等級が争点化します。逆に文言を狭めれば、市場への訴求力は落ちます。文言・等級・市場性のバランスは、設計段階で併せて決めるべき問題です。

審査資料の五つの軸

1. 機械・電気安全 — 人と力をやり取りする機器であるため、駆動部の安全(挟まれ、過負荷、非常停止)に関する設計上の根拠が重要になります。 2. ソフトウェア — 制御ソフトウェアの安全クラス分類と開発文書。アルゴリズムが治療強度を決定する構成であれば要求水準は上がり、無線通信・遠隔管理機能があればサイバーセキュリティ審査も併せて関わってきます。 3. 性能 — 標榜するリハビリ機能(アシスト力、可動範囲、訓練モード)の検証資料。 4. ユーザビリティ — 患者と療法士が共に使う機器であるという特性上、使用エラー分析が大きな比重で扱われます。 5. 臨床評価/臨床試験 — 同等製品や文献で代替できるのか、韓国国内での臨床が必要なのか。期間と予算の分岐点です。

臨床資料:プロジェクト最大の変数

五つの軸のうち、期間を支配するのは臨床です。分岐は通常、次の三つです。

第一に、既許可の同等製品との比較によって代替する経路。使用目的・作用原理・性能仕様が既許可製品と本質的に同じであることを示す方法で、可能であれば最も早いルートです。ただしリハビリロボットは駆動方式・訓練アルゴリズム・アシスト力プロファイルが製品ごとに異なるため、同等性の論証は他の品目より緻密である必要があります。

第二に、文献に基づく臨床評価。同一・類似技術に関する臨床文献で安全性・有効性を立証する経路ですが、文献中の機器と自社機器との差異をどう橋渡し(ブリッジング)するかが審査の争点になります。

第三に、韓国国内での臨床試験。新規開発性が強い、あるいはリスクが高いと評価された場合は、臨床試験計画の承認から始める必要があり、この場合は全体スケジュールが大きく延びます。どの経路になるかは製品によって異なるため、設計初期に規制面のレビューで可能性を確定させておくことが、この品目における鉄則です。

試験項目の全体像

領域 代表的な規格 審査で見られる点
電気・機械安全 IEC 60601-1 + リハビリ医療用ロボットの個別規格(IEC 80601-2-78) 駆動部の安全、非常停止、電源喪失時の挙動、機構強度
EMC IEC 60601-1-2 病院・在宅の電磁環境における誤動作の有無
ソフトウェア IEC 62304 安全クラス分類、要求事項—設計—試験のトレーサビリティ
性能 MFDSガイドライン・自社設定規格 アシスト力・トルク、関節可動範囲、速度、訓練モードごとの動作
生物学的安全性 ISO 10993シリーズ カフ・ハーネスなど皮膚接触部材質の生物学的評価

リハビリ医療用ロボットには、IEC 60601-1の共通要求に加えて個別規格(IEC 80601-2-78)が存在するため、自社製品がその適用範囲に入るかどうかの確認から始めないと、試験設計そのものがずれてしまいます。性能試験については、公的な基準規格がすべての項目をカバーしきれないという品目特性上、自社が設定した試験規格の妥当性(なぜこの項目・この条件・この判定基準なのか)も併せて審査されるものと考えておくべきです。

もう一つのポイントは、「どの試験を受けたか」よりもどのバージョン・どの仕様で受けたかです。試験実施当時のソフトウェアバージョンと許可申請時のバージョンが食い違えば、試験成績書があっても議論が振り出しに戻ります。

リスクマネジメント(ISO 14971):挟まれ・転倒・過負荷から

ISO 14971のリスクマネジメントは、意図された使用だけでなく合理的に予見可能な誤使用までを対象とします。リハビリロボットであれば、誤ったパラメータ入力、不適切な患者選定、装着ミスといったシナリオがここに含まれます。なかでもリハビリロボットのリスク分析は、機械的ハザードの三つから出発するのが実務的です。

挟まれ — 可動部と身体とのすき間、停止時の関節挙動、非常停止後の解除手順までが分析の範囲です。「非常停止ボタンがある」で終わる分析は、通常、補完(追加資料要求)の対象になります。

転倒 — 歩行リハビリにおける最上位のハザードです。体重支持・ハーネスの構造、電源喪失やソフトウェア異常の際に機器がどの状態で停止するのか(固縮・解放・保持)について、設計上の根拠を求められます。「停止する」という答えだけでは不十分で、どの姿勢で停止することが患者にとって安全なのか、というところまでが分析対象です。

過負荷 — 関節可動範囲を超えるトルクがかからないという根拠。ソフトウェアの制限値ひとつに依存する構成では、ソフトウェアの不具合がそのまま傷害につながるため、機械式ストッパーや独立した監視回路といった冗長化が、分析における定番の質問になります。

リスクコントロールの優先順位(設計による除去 → 保護手段 → 情報による安全確保)も、そのまま審査ポイントです。警告表示に残留リスクをまとめて押し付けたリスクマネジメントファイルは、優先順位を飛ばしたものとして読まれます。

ユーザビリティ(IEC 62366-1):ユーザーは二者いる

リハビリロボットのユーザビリティが難しい理由は、ユーザーグループが二つあることにあります。療法士はパラメータ設定・患者への装着・訓練の監督を、患者は装着状態での訓練遂行と異常時の意思伝達を担います。装着ミス(療法士)と痛みを伝えられないこと(患者)はまったく別種の使用エラーであるため、シナリオを分けたうえで、それぞれのリスクベース評価として設計する必要があります。

実務上の順序も重要です。開発途中にプロトタイプで形成的評価を回してインターフェースの問題を設計に反映し、検証段階で総括的評価によって締めくくるのがIEC 62366-1の流れです。総括的評価だけを上市直前にまとめて実施すると、問題が見つかっても設計を変更できず、補完対応が長期化します。MFDSがロボット補助整形用運動装置を対象に、GMPにおけるユーザビリティ適用ガイドライン(民願人案内書)を出しているのも、この品目で使用エラーの比重が大きいことの表れです。

技術文書:三組の資料が一つの製品を語らなければならない

電気・機械・ソフトウェアの資料は別々に作られますが、審査官はそれらを一つのファイルとして読みます。補完を減らすための一貫性のコツを三つ —

  • 仕様のシングルソース:モデル名、定格、最大アシスト力、可動範囲を一枚の表で管理し、すべての文書がその表を引用するようにします。文書ごとに数値が異なれば、それ自体が補完理由になります。
  • リスクマネジメントファイルをハブに:ハザードごとのコントロール手段が、どの試験成績書・どの設計文書で検証されたのかを相互参照でつないでおけば、審査官からの質問は減ります。
  • ソフトウェアのバージョン凍結時点を明示:性能・安全試験に用いたバージョンと申請バージョンとの関係(同一か、変更履歴があるか)を先に明らかにする側が信頼を得ます。
  • 用語の統一:同じ部品を文書ごとに違う呼び方(駆動部/アクチュエータ/モーター部)にしていると、審査官は異なる構成ではないかと疑わざるを得ません。用語集を作り、全文書に適用してください。

構成と作成順序については、技術文書作成の実務で別途扱います。

開発段階別の準備マップ

段階 規制側でやるべきこと 先送りすると起きること
設計初期 品目分類・等級、適用規格リストの作成、臨床要求の可能性の確定 最も高くつく判断ミス
試作 リスクマネジメント・ソフトウェア文書を設計と並行、ユーザビリティ形成的評価 遡っての作成=事実上の再設計
検証 安全・性能試験、ユーザビリティ総括的評価 設計変更の余地がないまま補完が長期化
許認可 技術文書 →(必要に応じて)臨床 → KGMP の並行スケジュール 順次進行すると数か月の追加

よくある却下・補完の理由

  • 試験当時のソフトウェアバージョンと申請バージョンの不一致、変更履歴の未説明
  • リスク分析が一般論にとどまる — 挟まれ・転倒・過負荷について製品固有のシナリオがない
  • 過負荷防止がソフトウェアの制限値のみに依存し、機械的・独立した保護手段の根拠がない
  • ユーザビリティ評価で患者と療法士のシナリオが分離されていない、形成的評価なしに総括的評価のみを提出
  • 文書間の仕様の不一致(性能資料のアシスト力の数値 ≠ 取扱説明書 ≠ 試験成績書)
  • 標榜文言が検証済みの性能範囲を超えている(訓練補助を検証 → 治療効果を標榜)

着手前チェックリスト

  • 品目名・等級の確認、標榜文言と使用目的の文言の確定
  • 適用規格リストの確定(IEC 60601-1シリーズ、個別規格の該当有無を含む)
  • 臨床評価の経路判断 — 同等製品・文献による代替の可能性の検討
  • リスクマネジメントファイルの着手 — 挟まれ・転倒・過負荷のシナリオと設計コントロール手段のマッピング
  • ユーザーグループ(患者・療法士)の定義と使用シナリオの分離
  • 仕様一覧表の作成 — 全文書が引用するモデル名・定格・性能数値の確定
  • ソフトウェアのバージョン凍結計画と試験スケジュールの整合性確認

リハビリロボットは、設計段階での30分の検討が数か月を節約する品目です。製品概要と標榜したい文言さえあれば、無料事前レビューで等級・臨床要求の可能性・適用規格リストの草案を作成いたします。

よくあるご質問

Q. リハビリロボットには必ず臨床試験が必要ですか?
製品によって異なります。既許可の同等製品や文献によって臨床評価に代えられる場合もあれば、新規開発性が強い、あるいはリスクが高いと評価された場合には韓国国内での臨床試験(実施計画の承認を含む)が求められることもあります。この分岐がプロジェクトの期間と予算を決定づけるため、設計の初期段階でどちらになるかを確定させておく必要があります。
Q. リスクマネジメント文書はいつから作成すべきですか?
設計と同時に着手すべきです。リハビリロボットの中心的なハザードである挟まれ・転倒・過負荷のリスクコントロール手段は、警告表示ではなく設計そのもの(可動部のすき間、機械式ストッパー、非常停止、体重支持構造)だからです。上市直前になってから遡って作成しても、コントロール手段を設計に織り込む機会がすでになく、事実上の再設計につながります。
Q. ユーザビリティ評価は患者と療法士のどちらを対象に行うのですか?
通常は両方です。療法士はパラメータ設定・患者への装着・訓練の監督を、患者は装着状態での訓練遂行と異常時の意思伝達を担うため、使用エラーの現れ方が互いに異なります。二つのユーザーグループのシナリオを分けたうえでリスクベースで評価することが、IEC 62366-1の基本的な考え方です。

製品情報をお送りください。
検討はこちらで行います。

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