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ガイドライン規制動向2026.11.03

PPWR包装明細書と供給者への資料依頼 — 見積書では埋められない欄を埋める順序

見積書の「容器セット、包装費」だけでは、瓶・キャップ・ラベルの材質と変更履歴を説明できません。包装単位を識別し、部品・結合構造・確認値と推定値を記載する明細書テンプレート、明細書の空欄を第16条による供給者依頼書につなぐ項目表、回答を四つの状態で管理する方法と機密資料の取り扱い、附属書VIIの技術文書との連結を整理しました。

要点 — 明細書は「何が分かっていないか」を可視化する表です。包装単位を識別し、分離可能な部品と結合構造を記載し、確認済みの値と推定値を区別すれば、供給者に送る質問が自然に生まれます。その質問は、第16条により供給者が製造者に提供すべき情報と文書を特定する依頼書になり、回答は附属書VIIの技術文書の項目に結び付きます。

本記事はRegulation (EU) 2025/40(PPWR)と欧州委員会ガイダンス C/2026/3084 の2026年10月6日確認版を根拠にしています。誰が製造者かはPPWRの責任主体と社内の役割分担で、全体の適用範囲はPPWR対応ガイドで先に確認します。

明細書の単位は完成品ではなく包装です

第3条は販売包装(5号)、集合包装(6号)、輸送包装(7号)、電子商取引包装(8号)を区分しています。同じ製品でも単品販売とまとめ出荷の包装は異なるため、製品名が同じという理由で一つの仕様にまとめることはしません。包装ごとに管理番号を定め、適用製品、包装の種類、出荷構成を結び付けます。

第6条第9項は、リサイクル可能性の評価において包装単位の統合構成品はすべて含めて評価し、輸送や選別中に機械的応力で分離し得る統合構成品は別に評価し、分離構成品はそれぞれ評価するよう定めています。明細書に部品の結合方式と分離可能性を記載すべき理由がここにあります。

明細書テンプレート

以下の列は当社の提案です。法定様式ではなく、会社のERPや図面管理体系に合わせて減らしたり増やしたりします。

列 記載内容 空欄にするときの表示
包装番号・種類 管理番号、販売・集合・輸送・電子商取引の区分、適用製品と出荷構成 種類未定
構成品 瓶・キャップ・ポンプ・ラベル・箱・緩衝材のように実物基準で分けた部品 構成確認待ち
材質 主材質、コーティング・接着層・インキ、多層構造、顔料 供給者確認待ち
結合構造 統合構成品か分離構成品か、消費者が分離できるか 分離条件未確認
重量・寸法 構成品ごとの値、単位、測定値か仕様書の値か 測定予定
値の出典 仕様書・図面・測定記録・供給者回答のどれかと改訂日 出典なし
状態 確認完了 · 推定 · 供給者回答待ち · 現行仕様との結び付き未確認
関連文書 図面、供給者資料、試験報告書、適用要件検討書の保管場所

空欄を埋めるために任意の材質名や平均重量を入れると、後の判断が揺らぎます。空白には理由を書きます。資料がないことと包装が要件を満たさないことは別の問題であり、要求される文書そのものがないことはさらに別の問題です。

明細書から附属書VIIの技術文書へ

第15条第2項は、製造者が上市前に第38条の適合性評価手続を実施するか実施させ、附属書VIIの技術文書を作成するよう定めています。附属書VII第2項は、技術文書が該当する場合に少なくとも次を含むよう定めています。

附属書VII第2項 明細書のどの欄が材料になるか
(a) 包装の一般的な説明と意図された用途 包装番号・種類、適用製品
(b) 概念設計、製造図面、構成品の材料 構成品、材質、関連文書(図面)
(c) 図面と包装の構造・作動を理解するために必要な説明 結合構造
(d) 適用した整合規格・共通仕様・その他の技術仕様の一覧、一部適用時はその適用部分、未適用時は採用した解決策 適用要件検討書
(e) 第6条・第10条・第11条の評価をどのように実施したかの定性的説明 結合構造、重量・寸法、評価記録
(f) 試験報告書 関連文書

明細書のすべての欄に同じ証明書が必要だという意味ではありません。当該包装に適用される要件と評価に必要な範囲で整理します。欧州委員会ガイダンス第6節は、第6条第4項の委任法令が発効するまではリサイクル可能性について第38条・附属書VIIの適合性評価を実施する必要がないと説明しているため、今すぐすべての欄が完成していなければならないわけではありません。

供給者依頼書:資料の名前ではなく確認したい内容を尋ねます

第16条第1項は、供給者が製造者に対し、包装と包装材の適合性を立証するために必要なすべての情報と文書を、附属書VIIの技術文書を含め、製造者が容易に理解できる言語で書面または電子的な形で提供するよう定めています。第2項は、接触感受性包装に適用されるEU法令上の文書と情報も含めるよう定めています。

依頼書は次の項目で構成できます。

依頼書の項目 記載内容 なぜ必要か
対象の識別 供給者品番、当社品番、図面改訂日、発注仕様、写真 同じ商品名の下に複数の材質があっても対象を特定
質問1 材質・重量 主材質、層ごとの構造、コーティング・インキ・接着剤、構成品ごとの重量 明細書の材質・重量欄
質問2 結合と分離 分離条件、統合構成品の該当有無 第6条第9項の評価単位
質問3 証拠の範囲 発行主体、文書番号、試験・評価の対象、適用品番、改訂日 別の厚さ・別の品番の資料の誤用防止
質問4 接触感受性包装の文書 該当製品法令による文書 第16条第2項
回答形式 言語、電子ファイル形式、回答期限、担当者 第16条第1項の言語要件

「欧州輸出用パウチの認証書を送ってください」ではなく、「添付図面の現在納品中の品番に対する層ごとの材質と重量の資料」のように書きます。すべての供給者に同じ試験項目を一括して要求したり、特定の認証書一つがPPWR全体を立証すると前提したりはしません。

回答は四つの状態で管理します

状態 意味 次の行動
資料確保 対象品番と現行仕様に合う資料を受領 適用要件と内容を照合して完了
追加説明が必要 資料はあるが範囲・条件・改訂日が不明確 具体的な質問を再送
対象不一致 別の厚さ・別の品番・別の組合せを対象とした資料 現行仕様の資料を依頼
回答待ち 依頼日以降に回答なし 期限管理、代替供給者の検討

この四つの状態は資料依頼の進捗であって、包装の適合有無を判定する等級ではありません。資料を確保した項目も、適用要件と内容が合っているか検討して初めて完了に移せます。

仮想例:ポンプ一つとラベル一枚

説明のための仮想例です。日用品容器のポンプを明細書に「PP、12g」とだけ記載していたところ、内部のばねと別の樹脂部品があることを確認したと仮定します。最初の値を完成したポンプ全体の説明として使ってはならないため、構成確認が必要な項目を供給者への質問として送り、回答を受け取ったらポンプの部品構造と適用品番を更新します。

同じ製品のラベル供給者が「リサイクル可能な素材」という説明だけを回答した場合は、基材樹脂と接着剤の仕様、瓶から分離される条件、評価対象が今回の納品品と同じかを追加で尋ねます。ラベル素材の説明が、完成した容器・ラベルの組合せの評価に代わるわけではありません。二つの例は特定の部品の適合性判定ではありません。

営業秘密の資料は伝達範囲を先に決めます

詳細な配合や工程情報に機密があれば、必要な情報の範囲、伝達方法、閲覧者を供給者と協議します。数値そのものが必要か、特定の要件を確認する文書で足りるかは評価目的によって異なります。提供が難しい理由と代替資料の立証範囲を記録し、残る空白が判断に及ぼす影響を検討します。機密という理由で立証なしに適合として処理することはできません。

最初の明細書は一つの出荷構成で検討します

複数の製品を一度に入力する前に、代表製品の実際の出荷構成を一つ選び、写真・明細書・仕様書を照合します。漏れた部品と番号の混乱を直してから他の製品に広げれば、修正作業が減ります。回答の後は添付ファイルを保管して終わりにせず、部品番号・仕様改訂版に結び付け、変更後に旧資料が再び使われないよう適用範囲を表示します。

お問い合わせ前に準備しておくと検討が早まる資料

  • 製品一覧と実際の出荷包装の写真
  • 保有する見積書・仕様書・図面の一覧と改訂日
  • 供給者ごとにすでに受領した資料の一覧と、回答のない質問

PPWR包装資料検討のお問い合わせでは、お問い合わせ内容にPPWR包装規則への対応である旨をご記入ください。現在の資料で確認できる項目と追加で確保すべき資料を分けてご案内します。検討範囲と費用は製品・包装構成を確認したうえで個別にご案内します。

作成・出典確認:2026-10-06。根拠:Regulation (EU) 2025/40 第3条第1項(5)~(8)号、第6条第9項、第15条第2項、第16条、第38条、附属書VII第2項 · Commission Notice C/2026/3084 第2節(供給者情報に基づく宣言)、第6節(リサイクル可能性の評価時期)。明細書・依頼書・回答状況表と仮想例は当社の実務ツールであり、法定様式や個別包装の適合性判断に代わるものではありません。

よくあるご質問

Q. 包装明細書はPPWRが要求する法定書類ですか?
いいえ。本記事の明細書は企業が資料を整理するための当社のツールです。法文が要求するのは第15条第2項による附属書VIIの技術文書と第39条のEU適合宣言であり、明細書はその技術文書に入れる包装の説明・図面・構成品の材料を探すための索引として使います。
Q. 供給者が会社案内と認証書だけを送ってきた場合はどうしますか?
第16条第1項は、供給者が製造者に対し適合性の立証に必要なすべての情報と文書を、製造者が容易に理解できる言語で提供するよう定めています。依頼書に対象品番と図面改訂日、確認したい項目を記載して再度依頼し、認証書は発行主体・文書番号・対象・適用品番を照合したうえで明細書に結び付けます。
Q. 供給者が配合は営業秘密だとして資料を出さない場合、適合として処理できますか?
できません。機密という理由で、必要な立証資料なしに適合表示をすることはできません。必要な情報の範囲、伝達方法、閲覧者を供給者と協議し、数値の代わりに特定の要件を確認する文書で代替できるか検討し、残る空白が判断に及ぼす影響を記録します。
Q. 部品の重量を掛けて合算した値が法定の算定結果ですか?
いいえ。部品数と重量を掛ける当社の集計は資料管理用です。再生原料含有率の算定のように法文が別途定める方法は、該当条項と後続の施行法令に従います。

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