ガイドライン規制動向2026.09.23
PPWR対応 — EU輸出企業がまず確認すべき包装と準備資料
EUに製品を輸出する場合、製品認証とは別に包装も確認する必要があります。PPWRの適用範囲、現在確認すべき義務と段階別の適用日程、供給業者に依頼する資料を実務の順序に沿って整理しました。CLARE Partnersが韓国の輸出企業3社を対象に実施するパイロットコンサルティングへの参加方法もご案内します。
最初に押さえておきたいこと — PPWRは包装材メーカーだけの課題ではありません。EUに製品を輸出する企業は、どの包装を、誰の責任で、どの資料に基づいて供給するのかから整理する必要があります。
PPWRはEUの包装・包装廃棄物規則、Regulation (EU) 2025/40です。2026年8月12日から一般適用が始まりました。ただし、すべての個別義務が同じ日に適用されるわけではありません。すでに確認すべき事項と、今後の設計・表示変更に向けて準備する事項を分けて考える必要があります。
自社製品も対象か — 業種より先に包装を確認します
化粧品の容器と個装箱、日用品のパウチ、電子製品の緩衝材と配送箱、医療機器の保護包装まで。PPWRは特定の業種やプラスチックだけを対象とする規則ではありません。EU市場に供給される包装は、材質や用途を幅広く確認する必要があります。
出発点は会社全体ではなく、代表的な輸出製品を一つ選ぶことです。消費者に渡る販売包装、複数の製品をまとめる集合包装、輸送時の箱やパレット包装を区別します。製品の一部として機能する物については、そもそも包装に該当するかを別途判断する必要があります。
次に供給構造を確認します。自社ブランドか、委託製造か、EU輸入者は誰か、どの国にどのような方法で販売するかによって役割は変わります。PPWR上の製造者・輸入者と、拡大生産者責任(EPR)上の生産者を同じ意味で扱ってはいけません。
現在確認すべきことと、今後準備することを分けます
「2030年からだからまだ大丈夫」「今すぐすべての包装を変更しなければならない」といった一括りの判断は避けるべきです。以下は義務の全項目ではなく、対応の順序を決めるための主な日程です。
| 確認項目 | 適用時期の考え方 |
|---|---|
| 一般適用と事業者の義務 | 2026年8月12日から一般適用。現在適用される要件に沿って、役割・トレーサビリティ・技術文書・EU適合宣言など、関連する義務を確認します。 |
| リサイクル可能性 | リサイクル可能性の基本原則はすでに適用されています。新たなリサイクル配慮設計・等級制度は、2030年1月1日または関連する委任法令の発効から24か月後の、いずれか遅い日を基準に区別します。 |
| プラスチックの再生材含有率 | 2030年1月1日または関連する実施法令の発効から3年後の、いずれか遅い日。包装の種類ごとに比率・算定方法・例外が異なり、すべての包装に同じ比率を適用するものではありません。 |
| 包装の最小化 | 第10条の新要件は2030年1月1日から適用されます。それ以前も従来の要件と経過規定を確認する必要があるため、まず製品保護に必要な重量・体積の根拠を確保します。 |
| 統一された材質表示 | 第12条第1項の調和された材質ラベルは、2028年8月12日または関連する実施法令の発効から24か月後の、いずれか遅い日。現在のその他の表示・識別義務まで延期されるという意味ではありません。 |
実際の判断では、包装ごとの例外と最新の関連法令も確認する必要があります。特に、リサイクル可能性の基本原則、新たな評価制度、該当する適合性評価手続きの移行時期を、一つの日付にまとめないことが重要です。PPWR本文の第6・7・10・12・15・71条と欧州委員会の実施ガイダンスに基づいて確認します。
最初に用意するのは1枚の「包装構成表」です
包装の写真だけでは、何の資料が不足しているかさえ整理しにくくなります。以下の項目を同じ製品・包装バージョンにひも付けてまとめると、供給業者への依頼内容が明確になります。これは法定の共通様式ではなく、事前確認のための実務チェックリストです。
| 準備する資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 製品と輸出経路 | 製品名・型式、EUの販売国、ブランド所有者、製造者・EU輸入者 |
| 包装の構成と写真 | 容器・キャップ・ラベル・個装箱・緩衝材・輸送箱など、各構成部品の機能 |
| 材質・重量・寸法 | 樹脂の種類、複合材・コーティング・接着剤、各部品の重量と寸法、分離の可否 |
| 供給業者の根拠資料 | 仕様書、材料情報、関連する試験資料、再生材を使用する場合はその根拠と適用範囲 |
| 設計と保護性能 | 破損・液漏れの防止、保管条件、必要に応じた滅菌状態の維持など、包装が必要な理由 |
| 表示と変更履歴 | 現行のラベル・識別情報、図面のバージョン、包装変更日、資料の作成・更新担当者 |
例えば化粧品1品目でも、容器・ポンプ・ラベル・紙箱はそれぞれ別の構成部品です。供給業者が「環境に配慮した包装」と紹介しているだけでは、各部品の材質、リサイクル可能性、証明の対象範囲は確認できません。何を証明する資料なのか、どの部品に適用されるのかを結び付ける必要があります。
ギャップ分析は「不適合リスト」より具体的に整理します
資料がないことだけを理由に、包装の性能が不適合だとは断定できません。一方、法的に必要な文書自体がない場合は、その文書に関する義務を別途確認する必要があります。診断結果を次の四つの状態に分けると、後続の作業を割り当てやすくなります。
- 確認済み: 適用要件とそれを裏付ける根拠が結び付いている項目
- 資料の補完: 供給業者への確認や試験資料など、追加の根拠が必要な項目
- 設計・運用の検討: 包装構成、表示、管理手順の変更を検討する項目
- 段階的適用への準備: 今後の適用日程と関連法令に合わせて準備する項目
各項目に、適用根拠、保有資料、不足資料、担当者、次の行動を記載します。この方法なら、「PPWRの検討が必要」という大きな課題を、購買部門による供給業者への資料依頼、開発部門による包装設計の確認、輸出担当者によるEU取引先への確認に分けられます。
CLARE Partnersの支援の進め方
CLARE Partnersは、PPWR関連の実務経験を持つ韓国の国家資格者である行政士(행정사)と協業し、韓国の輸出企業の適用性確認と対応準備を支援します。医療機器に加え、化粧品・日用品・電気電子製品など、包装された製品をEUに輸出する企業が対象です。
- 範囲の設定: 代表製品、包装構成、EUでの販売経路、関係する事業者を確認します。
- 適用性の確認: 包装ごとの関連要件・例外・適用時期を整理します。
- 現状分析: 保有資料と供給業者から入手すべき資料を照合します。
- ギャップ分析: 不足する根拠と改善を検討する項目を区別し、優先順位を付けます。
- 対応方針の整理: 必要な証拠資料・文書と、次に実行する課題をご案内します。
検討結果は、適用性確認表、包装現状表、補完が必要な資料の一覧、優先順位別の対応計画にまとめる方針です。具体的な成果物と検討の深さは、製品数・包装の複雑さ・資料の入手状況に応じて、着手前に合意します。その後、具体的な対応支援が必要な場合は、別途範囲を定めて継続します。
PPWRパイロットコンサルティングに参加する韓国企業3社を募集します
今回のパイロットは、EU向け輸出包装の現状を一緒に確認し、実行につながる対応方針を整理する初期プロジェクトです。正式なサービス拡大に向けて実務事例を蓄積しますが、企業名や検討結果の外部公開は、別途同意いただいた範囲に限ります。
次のような韓国企業の参加をお待ちしています。
- すでにEUへ輸出している、または具体的な輸出計画がある企業
- 代表製品と包装構成を定め、関連資料を一緒に確認できる企業
- EU取引先からの包装資料の依頼に対応したい、または供給業者と改善課題を整理したい企業
申込内容を確認し、範囲と資料の入手可能性を協議したうえで、3社を選定します。先に申し込んだことだけで参加が確定するわけではありません。CLARE Partnersからも対応の必要性がある企業に直接働きかけ、準備を進める方式を併用する予定です。
3社限定のパイロット料金を適用し、初期診断の範囲を定めて費用を最小限に抑えて進める方針です。具体的な費用と業務範囲は、お問い合わせ後に個別にご案内します。追加試験、包装の再設計、別途の登録・代行、長期的な対応支援などは、必要性と費用を別途協議するものであり、パイロットに自動的に含まれるものではありません。
お問い合わせの際は、次の四つをお知らせください
会社名・製品名/EUの輸出先国と輸出状況/包装の写真または構成の説明/現在保有している資料の一覧をお知らせください。最初から詳細な技術資料や営業秘密をすべてお送りいただく必要はありません。
PPWRパイロットへの参加について問い合わせる — ご相談内容は「その他」を選び、お問い合わせ内容の1行目に「PPWRパイロット参加相談」とご記入ください。電話 070-7954-1254でもお問い合わせいただけます。
PPWR対応の最初の目標は、急いで包装を変更することではありません。自社が確認すべき要件と、その判断を裏付ける資料を結び付けることです。CLARE Partnersと、代表製品一つの包装から整理してみませんか。
公式の根拠資料と確認日
- Regulation (EU) 2025/40 — PPWR本文:適用範囲・定義、リサイクル可能性、再生材含有率、最小化、表示、事業者の義務と適合性評価、適用日
- Commission Notice C/2026/3084 — 欧州委員会の実施ガイダンス:2026年6月10日官報公表。法令本文に代わるものではない解釈ガイダンス
- European Commission — Packaging waste:制度の概要と公式の関連資料
確認日:2026年9月23日。 本記事は一般的な実務案内であり、個別の製品・包装の適合性判断に代わるものではありません。実際の義務は、包装の種類、供給構造、販売国、その時点の法令に基づいて確認する必要があります。
よくあるご質問
- Q. 包装材のメーカーでなくてもPPWRを確認する必要がありますか?
- はい。EU市場に供給される包装済みの製品も確認の対象です。ただし、個々の義務は包装の構成、自社ブランド・委託製造の有無、EU輸入者との取引構造、販売国によって異なります。包装の供給業者から資料を入手するとともに、自社の法的な役割も確認する必要があります。
- Q. PPWRの認証書を取得すれば対応は完了しますか?
- PPWRを一律の第三者認証取得手続きと捉えてはいけません。該当する要件への適合性の確認、技術文書、EU適合宣言など、各事業者の義務を確認する必要があります。既存の製品のCEマーキングや原材料の認証書だけで、包装全体のPPWR適合を証明できるわけではありません。
- Q. 医療機器の包装はPPWRの対象外ですか?
- 医療機器全体が除外されるわけではありません。一部の包装にはリサイクル可能性や再生材含有率など特定の義務について例外があるため、包装の機能・構成と該当する製品法令に基づいて、条項ごとに例外を確認する必要があります。製品の安全性や滅菌性能の維持に必要な包装を、独自の判断で減らしてはいけません。
- Q. 資料が不足していてもパイロットへの参加を相談できますか?
- 可能です。まずは製品名、EUの輸出先国、包装の写真、現在保有している資料の一覧をお知らせください。資料の入手可能性と検討範囲を確認し、参加可否と費用をご案内します。最初のお問い合わせで、営業秘密や詳細な技術資料をすべて提出する必要はありません。
