ガイドライン規制動向2026.07.21
デジタル医療製品の許可・審査規定 改正予告 — 臨床資料の免除、全クラス・全分野へ拡大
MFDS(韓国食品医薬品安全処、旧KFDA)がデジタル医療製品の許可・審査規定の改正を予告しました。クラスIIのスタンドアロン型に限定されていた臨床試験等の評価資料の免除・代替要件が、クラスを問わず治療・診断・検査の全分野へ拡大されます。意見提出は2026年7月21日までです(本日が最終日)。
要点サマリー — 今回の改正(案)の方向性は一文で言えます。「デジタル医療機器はクラスではなくエビデンスで審査する」。これまで「クラスIIのスタンドアロン型」という狭い入口にしか開かれていなかった臨床試験等の評価資料の免除・代替要件が、クラスと関係なく治療・診断・検査など全分野へ広がります。
スケジュール
- 行政予告日 — 2026年7月1日、韓国食品医薬品安全処 公告 第2026-322号
- 改正対象 — 「デジタル医療製品の許可・認証・申告・審査及び評価等に関する規定」(MFDS告示 第2026-6号、2026.1.25.)
- 意見提出期限 — 2026年7月21日(デジタル医療製品支援統括課)。本日が受付の最終日ですので、提出の意思があれば本日中に提出する必要があり、それ以降は確定告示を前提に自社パイプラインを再点検する段階となります。
- 背景 — 「デジタル医療製品法」施行(2025.1.24.)以降に蓄積された許可・認証および審査の実績、ならびに同法施行規則の改正(2026.1.23.)に伴う条文整備
何が変わるのか
1. 臨床試験等の評価資料の免除・代替要件の拡大(案 第25条)
今回の改正の重心です。現行規定は、機能別の臨床試験等の評価資料の免除・代替要件を「情報提供および管理等の分野」または「クラスIIのスタンドアロン型デジタル医療機器ソフトウェア」にのみ適用してきました。改正(案)はこの制限を解き、クラスと関係なく治療・診断・検査など全分野へ適用範囲を拡大します。
言い換えれば、これまで「自社製品はクラスIIではないから」あるいは「情報提供分野ではないから」という理由で免除・代替の議論自体を始められなかった製品群に、検討の扉が開くということです。
2. 優秀管理体系の特例適用対象および実使用評価期間の拡大(案 第25条、第28条)
二つの内容が一体で動きます。
- 特例適用対象の拡大 — 現行の「クラスIIのスタンドアロン型デジタル医療機器ソフトウェア」から「クラスIIおよびクラス未指定のスタンドアロン型デジタル医療機器ソフトウェア」へ広がります。クラスがまだ指定されていない新規類型のソフトウェアが特例の枠外に置かれていた空白を埋める調整と読み取れます。
- 実使用評価の結果報告書の提出期限の延長 — 許可(クラスIII・IV)後に実施する実使用評価の結果報告書の提出日が、許可後3年の範囲内で、実使用評価が終了する日から30日以内へ延長されます。許可時点を起点とする一律の期限ではなく、評価終了時点に連動する構造です。
3. デジタル医療機器の変更および情報提供に関する規定の整備(案 第7条ほか)
施行規則の改正(2026.1.23.)により上位法令へ移された事項、すなわちデジタル医療機器ソフトウェアの重要な変更事項と人工知能技術が適用されたデジタル医療機器ソフトウェアの情報表示項目が、告示から削除されます。規制がなくなるのではなく、根拠が施行規則へ格上げされたことに伴う整備である点を誤解しないでください。
4. 性能認証の情報公開項目等の新設(案 第31条、第31条の2)
デジタル医療・健康支援機器のうち性能認証を受けた製品の性能認証情報を公開できるようにする根拠が新設されます。あわせて、性能認証業務の代行機関長が発行する性能認証書の様式が明確化されます。
実務では
第一に、勝負どころが「クラス」から「エビデンスの質」へ移る可能性が高いです。 免除・代替が全クラスに開かれるということは、「免除される」ではなく「免除を主張する資格が生まれた」に近い意味です。要件の充足可否は依然として製品ごとに判断されるため、文献・既存資料・検証データによって臨床的性能をどう説明するかが実質的な鍵になると見られます。治療・診断分野の許可(クラスIII)対象製品であれば、特に検討する実益がありそうです。
第二に、削除される条文を「規制緩和」と読まないでください。 ソフトウェアの重要変更とAIの情報表示は告示からは外れますが、施行規則に残ります。社内SOPや変更管理手順書が告示の条番号を引用している場合は、参照根拠を施行規則ベースへ更新する必要があります。 実務で見落とされやすい点です。
第三に、実使用評価の期限変更は文書管理の方法を変えます。 提出日が評価終了日に連動すると、「いつ終了したのか」を立証する記録がそのまま期限遵守の根拠になります。評価プロトコルに終了基準と終了時点の記録方法を明記しておくほうが安全でしょう。
第四に、性能認証の情報公開はマーケティングではなくリスク管理の課題でもあります。 公開された性能情報と実際の標榜文言が食い違えば、広告・表示の問題へ発展しかねません。公開項目を前提に標榜範囲をあらかじめ整合させておくほうが望ましいと考えます。
なお、医療機器ソフトウェア(SaMD)の許認可準備の流れはSaMD 許可ガイドに、手続き全体の骨格は許認可手続き 総まとめに整理しています。クラス別の所要期間は、申告(クラスI)が約2〜4週間・認証(クラスII)が約3〜4か月・許可(クラスIII)が約6〜8か月・クラスIVは1年以上かかる場合があり、製品によって変動します。
今すぐ確認すべきこと
- 自社製品が「スタンドアロン型デジタル医療機器ソフトウェア」に該当するか、クラス未指定の類型かを再確認
- クラスIII以上、または治療・診断・検査分野の製品について、臨床試験等の評価資料の免除・代替を主張できるか事前検討
- 社内の変更管理SOP・情報表示手順書が引用する根拠を施行規則ベースへ更新
- 実使用評価プロトコルに「評価終了時点」の定義と記録方法が明記されているか点検
- 性能認証を保有する製品について、公開予定情報と現行の標榜文言・広告文案の整合性を確認
改正(案)の段階であるため、最終告示の内容は変わる可能性があります。ただ方向性が明確である以上、自社パイプラインのどの品目が拡大された免除・代替要件の射程に入るのかを今のうちに整理しておけば、準備期間を大きく短縮できます。品目名とソフトウェアの機能説明書さえあれば、無料事前レビューで検討可否の骨格をご確認いただけます。継続的な対応が必要でしたら、許認可アドバイザリーサービスもご参照ください。
出典:韓国食品医薬品安全処「デジタル医療製品の許可・認証・申告・審査及び評価等に関する規定」一部改正告示(案)行政予告(公告 第2026-322号、2026.7.1.) · 原文を見る
