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ガイドライン手続き別2026.09.16

医療機器の流通品質管理基準 — 販売業届出の次に来る基準

販売業届出は始まりであり、その次に来るのが施行規則別表6の流通品質管理基準です。保管場所の施設、管理責任者、入出庫の確認、台帳3種、年12時間の教育がここにあります。倉庫を持たない通信販売業者は相当部分が適用から外れます。別表の全文で整理しました。

要点サマリー — 販売業届出は扉を開く手続きであり、その次に来るのが施行規則別表6の流通品質管理基準です。ここに保管場所の施設7項目管理責任者入出庫の確認手順台帳3種年12時間の教育が入っています。そして実務で最も重要な一行 — 倉庫を持たない通信販売業者は施設基準を含む相当部分が適用から外れます。2026年9月確認基準で別表の全文を直接照合して整理しました。

どこから来る基準か

法第18条第1項が販売業者等に営業所における医療機器の品質確保方法を守るよう定め、施行規則第39条がその内容を四つに分けます。その第4号がこの基準です。

別表6の医療機器流通品質管理基準を遵守すること。ただし、法第17条第2項により販売業届出をしないことができる場合は除く。

つまり販売業届出が免除される場合にはこの基準も来ません。届出の免除事由は賃貸業・修理業ガイドで扱います。

別表6はこの基準を「医療機器を販売または賃貸できる者が医療機器の流通に関連して守るべき細部基準」と定義します。

1. まず用語三つを区分します

別表は空間を分ける言葉三つを定義から分けておきます。この違いが施設要件の判断基準になります。

用語 定義
分離 別の建物であるか、同じ建物内の空間が壁で区分されている状態
区画 間仕切り等で分けられ、汚染が起こらないか混ざらないよう管理できる状態
区分 線を引いて表示するか間隔を置いて、混同されないよう区別して管理できる状態

強度は分離 > 区画 > 区分の順です。条文がどの語を使ったかによって、壁を立てるべきか、間仕切りで足りるか、線だけ引けばよいかが分かれます。

2. 保管場所の施設 — 七つ

別表6第2号が定める保管場所の基準です。

基準
建物は汚れた場所から分離され、保管場所は十分な面積と空間を確保すること
販売または賃貸業務以外の目的での使用禁止。ただし供給・品質管理を害さない範囲で医療機器でない製品を区分または区画して保管可能
医療機器は直接床に触れないこと
取扱いに適した採光・照明であり換気がよくなされる場所であること
変質防止のための適正な温度と湿度を維持できる施設。必要な場合は空気調節設備。一定温度を維持する必要がある機器は自動温度記録装置が付いた冷凍・冷蔵設備を別途備えること
自動装置は定期的に点検し正常機能を維持し、その検査・点検記録を1年間保存すること
害虫とネズミを防ぐ設備及び消火設備を備えること

ダ目が実査でよく指摘される項目です。パレットや棚なしに床に積んでおくとそれ自体で基準未達です。

マ目は冷蔵保管が必要な品目を扱う会社に重みがかかります。条文は単なる冷蔵庫ではなく自動温度記録装置が付いた設備を求め、バ目がその記録を1年保存するよう定めます。

3. 管理責任者 — 代表者が兼職できます

第3号は管理責任者を置きこの基準による業務の遂行を点検・確認するよう定めます。そして一行を添えます。

この場合、代表者は管理責任者を兼職することができる。

製造所・輸入業所に置く法定の品質責任者とは異なる立場です。資格要件が条文に列挙されておらず、別途の採用も求められません。小規模の販売業者が代表一人で始められる理由がこの文章です。

4. 入庫から出庫まで — 八項目

第4号が定める品質管理・環境衛生管理です。

  • 入庫時 — 購入申請書または取引明細書の内容と入庫物品の取引先・モデル名・数量・規格等を確認・照会し、損傷及び汚染等の外観検査を行うこと
  • 保管温度により区分が必要な機器は冷蔵または冷凍場所に区分して保管すること
  • 返品医療機器、不良医療機器は区分して保管すること
  • 出庫時作業者が現場に立ち会い外観上の品質点検と取引先・モデル名・数量・規格・使用期間(有効期間)等を確認して出庫し、医療機関・販売業者・賃貸業者に販売した場合は販売内訳を記録すること
  • 保管温度の区分が必要な機器は運送中も適正な温度を維持すること
  • 保管場所と機械・器具及び設備の清潔を維持すること
  • 苦情申告を受けた場合は速やかに調査して適切な措置を取り内容を記録すること
  • 賃貸業者が汚染管理が必要な人体接触医療機器を賃貸しようとする場合は洗浄・消毒等の方法で汚染を除去し、その内容を文書で記録・管理すること

最後の項目は賃貸業特有の義務です。人体に触れる機器を回収して再び貸す事業なら洗浄・消毒の記録そのものが規制対象です。

5. 台帳3種と2年保存

第5号は作成・備置すべき台帳を三つに定めます。

台帳 記載するもの 根拠
施設及び設備台帳 第2号による施設・設備の点検結果 第5号ガ目1)
出庫台帳 第4号ラ目後段の販売内訳 第5号ガ目2)
苦情処理台帳 第4号サ目の苦情申告の受付・措置内容 第5号ガ目3)

そしてナ目が保存期間を定めます — 関係法令に規定されたものを除き各種台帳等の業務処理に関する記録を2年間保存

中古医療機器ガイドで扱った検査記録2年、不良処理記録1年とは別の条文なので、台帳を別途管理する必要があります。

6. 教育 — 年12時間

第6号は従事者の資質向上のための自体教育計画を立て、四半期別1回以上、年間合計12時間の自体教育を実施するよう定めます。

含めるべき内容は五つです。

  • 医療機器取扱いの責任意識
  • 医療機器の内容及び規格
  • 医療機器の取扱い及び品質管理
  • 医療機器関係法規
  • その他この基準を効率的に遂行するために必要な事項

「四半期別1回以上」と「年間合計12時間」が同時にかかる点を見落とさないでください。年末に12時間をまとめて行えば四半期要件が崩れます。

7. 倉庫がない通信販売業者 — 相当部分が外れます

この記事で最も実務的な部分です。第7号はこう定めます。

医療機器通信販売業者で保管場所を保有しない者に対しては第2号、第4号ナ目・ダ目・マ目・バ目及び第5号ガ目1)を適用しない。

別表は医療機器通信販売業者を「法第17条による販売業届出をした者のうち電子商取引法第2条第2号による通信販売のみを行う者」と定義します。

適用から外れるものと残るものを分けるとこうなります。

倉庫のない通信販売業者
第2号 保管場所の施設7項目 適用除外
第4号ナ目(保管温度区分)・ダ目(返品・不良区分)・マ目(運送中の温度)・バ目(清潔) 適用除外
第5号ガ目1) 施設及び設備台帳 適用除外
第3号 管理責任者 適用
第4号ガ目(入庫確認)・ラ目(出庫確認・販売内訳)・サ目(苦情申告)・ア目(賃貸時の洗浄・消毒) 適用
第5号ガ目2) 出庫台帳・3) 苦情処理台帳、ナ目 2年保存 適用
第6号 年12時間の教育 適用

前提は「保管場所を保有しない」ことです。在庫を直接持たず、注文が入れば供給先が直ちに送る構造でなければなりません。倉庫を使った瞬間に第2号が復活します。オンライン販売の営業所を住宅に置けるという施行規則第37条第2項と併せて読めば、在庫を持たないオンライン販売の参入敷居が低く設計されていることが分かります。

よくある失敗

  • 販売業届出だけを終えて別表6を読んでいない場合 — 届出は始まりで基準はその次です
  • 医療機器を床に直接積んでおく場合(第2号ダ目)
  • 冷蔵保管品目に一般の冷蔵庫を使う場合 — 条文は自動温度記録装置付き設備を求めます
  • 点検記録(1年)と台帳記録(2年)の保存期間を一つで管理する場合
  • 教育を年末に12時間まとめて行う場合 — 四半期別1回以上が同時にかかります
  • 倉庫を使いながら通信販売業者の例外を適用されると理解した場合(第7号の前提は保管場所の非保有です)
  • 賃貸業なのに洗浄・消毒の記録を文書で残さない場合(第4号ア目)

進める前のチェックリスト

  • 販売業届出が免除対象ではないか確認する(免除ならこの基準も来ません)
  • 在庫を直接保管するか → 保管するなら第2号の七つを現場で照合する
  • 冷蔵・冷凍品目があれば自動温度記録装置の有無と点検記録(1年)を確認する
  • 管理責任者を指定する(代表者の兼職可能)
  • 台帳3種の様式を作り2年保存のルールを定める
  • 自体教育計画を立て四半期1回・年12時間の日程を組む
  • 賃貸業なら洗浄・消毒記録の様式を別途作る
  • 通信販売のみなら保管場所の非保有状態を文書で説明できるようにしておく

流通品質管理基準は届出より長く残る基準です。届出は一日で終わりますが、施設・台帳・教育は毎年回ってきます。自社の事業形態に実際にかかる項目がいくつか、通信販売の例外が適用される構造かを、まず無料事前検討でご確認いたします。

よくあるご質問

Q. 流通品質管理基準は誰に適用されますか?
施行規則第39条第4号が販売業者・賃貸業者に対し別表6の医療機器流通品質管理基準を遵守するよう定めています。ただし同号ただし書により、法第17条第2項によって販売業届出をしないことができる場合は除かれます。別表6はこの基準を「医療機器を販売または賃貸できる者が医療機器の流通に関連して守るべき細部基準」と定義します。
Q. オンラインだけで販売し倉庫がない場合はどうなりますか?
別表6第7号は、医療機器通信販売業者で保管場所を保有しない者に対し第2号(施設及び設備)、第4号ナ目・ダ目・マ目・バ目、第5号ガ目1)を適用しないと定めます。別表は医療機器通信販売業者を、販売業届出をした者のうち電子商取引法上の通信販売のみを行う者と定義します。ただし第3号の管理責任者、第4号の残りの項目、第5号の出庫台帳・苦情処理台帳、第6号の教育はそのまま適用されます。
Q. 管理責任者を別途採用しなければなりませんか?
別表6第3号は、医療機器の安定的な供給と品質管理のために管理責任者を置きこの基準による業務の遂行を点検・確認するよう定めつつ、この場合代表者が管理責任者を兼職できると明示します。製造所・輸入業所の法定品質責任者とは異なる立場であり、別途の採用が条文上求められてはいません。
Q. 教育はどれくらい行う必要がありますか?
別表6第6号は従事者の資質向上のために自体教育計画を策定し、四半期別1回以上、年間合計12時間の自体教育を実施するよう定めます。含めるべき内容は医療機器取扱いの責任意識、医療機器の内容及び規格、取扱い及び品質管理、関係法規、その他この基準を効率的に遂行するために必要な事項です。

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