ガイドライン手続き別2026.09.17
許可の後に始まるもの — 報告・記録・回収・再評価を一枚に
許可証は終わりではなく義務の始まりです。副作用は直ちに、異物は遅滞なく、供給内訳と標準コードは定期的に報告しなければなりません。ここに追跡管理の記録、回収、再評価、市販後調査、更新がそれぞれ別の軸で回ります。八つの枝を条文で一枚にまとめました。
要点サマリー — 許可証は義務の終わりではなく始まりです。許可の後に回る軸が八つあり、それぞれ期限も窓口も違います。副作用は直ちに、異物は遅滞なく、供給内訳と標準コードは定期的に。ここに追跡管理の記録、回収、再評価、市販後調査、更新がそれぞれの周期で動きます。どれか一つを落とせば行政処分が品目単位で返ってきます。2026年9月確認基準で医療機器法の条文を直接照合して一枚にまとめました。
八つの枝を一枚に
| 軸 | いつ | 根拠 |
|---|---|---|
| 副作用報告 | 認知時に直ちに | 法第31条第1項 |
| 異物発見報告 | 発見時に遅滞なく | 法第31条の5第1項 |
| 回収 | 危害の事実を知った時に遅滞なく | 法第31条第2項 |
| 供給内訳報告 | 供給した場合(総理令が定めるところ) | 法第31条の2 |
| 統合情報システム登録 | 標準コード・情報(総理令が定めるところ) | 法第31条の3 |
| 追跡管理の記録 | 作成・保存・提出 | 法第30条 |
| 再評価 | 食薬処が対象を定めて公告 | 法第9条 |
| 市販後調査 | 許可時に課されれば4~7年 | 法第8条 |
ここに許可更新が5年周期で別途回ります(更新ガイド)。
1. 副作用 — 「直ちに」です
法第31条第1項の文言は「直ちに報告」です。「遅滞なく」より強い表現であり、条件は死亡または人体に重大な副作用が発生したか発生するおそれがあることを認知した場合です。報告とともにその記録を維持しなければなりません。
注意すべき点は義務の主体です。条文は「製造業者」ではなく「医療機器取扱者」と書きます。法第2条第3項により製造業者・輸入業者・修理業者・販売業者・賃貸業者と医療機関開設者・動物病院開設者がすべて含まれます。販売だけをする会社もこの義務を負います。
報告を受けた食薬処長は韓国医療機器安全情報院長に、医療機器との因果関係等を分析・評価しその結果を報告するようにさせることができます(同項後段)。
2. 回収 — 誠実な履行が条文上有利です
法第31条第2項は、製造業者・輸入業者・修理業者・販売業者・賃貸業者(条文はこれらを「製造業者等」と呼びます)が品質不良等により人体に危害を及ぼしたり及ぼす危険があるという事実を知ったとき、遅滞なく回収するか回収に必要な措置を取るよう定めます。この場合製造業者と輸入業者は回収計画を策定してあらかじめ食薬処長に報告しなければなりません。
続く各項が回収の波及範囲を示します。
- 第3項 — 食薬処長は回収計画の報告を受ければ公表を命じることができます
- 第4項 — 死亡または重大な副作用が発生したか発生するおそれがあると判断される医療機器について、その機器を使用した医療機関開設者に副作用と回収計画等を知らせなければなりません
- 第5項 — 通報を受けた医療機関開設者は、その機器で治療を受けた患者に訪問・郵便・電話・電子メール・ファックス等で知らせなければならず、通報の事実を証明できる資料を食薬処長に提出しなければなりません
- 第6項 — 回収または回収に必要な措置を誠実に履行した製造業者等には第36条による行政処分を減免できます
第6項が実務で重要です。回収を先延ばしにする側より誠実に履行する側が条文上有利です。
3. 異物 — 「遅滞なく」
法第31条の5は2018年に新設された条文です。異物を「医療機器の内部や容器または包装から、正常に使用された原材料ではないもので、使用時に危害が発生するおそれがあるか使用に不適合な物質」と定義し、発見した医療機器取扱者に遅滞なく報告するよう定めます。
食薬処長は混入原因を調査し必要な措置を取らなければならず(第2項)、国民健康への危害を防止するために必要な場合は発見の事実・調査結果・措置計画を公表できます(第3項)。
4. 供給内訳と統合情報システム — 二つの別の軸です
よく混ざる二つの条文です。
| 供給内訳報告 | 統合情報システム登録 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 法第31条の2 | 法第31条の3 |
| 何を | 誰に供給したかの内訳 | 医療機器標準コードと機器情報 |
| 対象 | 製造業者・輸入業者・販売業者・賃貸業者 | 製造業者等 |
| 受け取る側 | 食薬処長(保健福祉部長官が資料提供を要請可能) | 医療機器統合情報システム |
第31条の3第3項は登録・管理において医療機器統合情報管理基準を遵守するよう定めており、システム運営業務は医療機器統合情報センターに委託され得ます(第31条の4)。実務画面は医療機器統合情報システムガイド、1等級の適用範囲はUDI・供給内訳報告ガイドで扱います。
5. 追跡管理対象医療機器 — 記録は二層です
法第30条は追跡管理対象医療機器について記録義務を置きます。特異な点は義務者が二層だということです。
- 取扱者(製造・輸入・販売・賃貸・修理業者) — 製造・販売(購入を含む)・賃貸または修理の内容等についての記録
- 使用者(医療機関開設者と医療機関に従事する医師・韓医師・歯科医師等) — 患者に対する追跡が可能となるようにする記録
両層とも記録を作成・保存し、総理令が定めるところにより食薬処長に提出しなければなりません。食薬処長は確認のため追加資料の提出を命じることができ、取扱者・使用者は正当な事由なく拒否できません(第2項)。
第3項はもう一歩進みます。長期追跡調査に参加しようとする使用者から施術および異常事例等の情報(条文はこれを「実使用情報」と言います)の提出を受け、収集・分析・評価できます。
6. 再評価 — 申請する手続きではありません
法第9条第1項は、食薬処長が安全性および有効性について再検討が必要と認められる医療機器に対して再評価を行うことができ、結果により必要な措置を命じることができると定めます。
会社が申請する手続きではなく食薬処が対象品目を定めて公告する手続きです。施行規則第19条により食薬処長は医療機器委員会の審議を経て対象品目を定め、再評価対象品目・申請期間・提出資料の内容をホームページに公告します。当該品目の製造業者はその期間に申請書と資料を提出し、食薬処長は再評価後結果の試案を1か月以上閲覧させた後に結果を公告します。
7. 監督 — 検査命令から使用中止まで
許可後の軸の最後は監督条文です。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第32条 | 報告と検査 — 立入・検査・質問・収去 |
| 第33条 | 検査命令 — 国民保健への危害のおそれがある場合、指定試験・検査機関の検査を受けるよう命令 |
| 第34条 | 販売中止・回収・廃棄および公表命令 |
| 第35条 | 使用中止命令 — 医療機関・動物病院開設者に対して |
第32条は2026年8月4日に立法予告された改正案が資料提出命令を追加しようとする対象でもあります(改正案ガイド)。
よくある失敗
- 副作用報告を「遅滞なく」と理解して数日後に報告する場合 — 条文は直ちにです
- 副作用・異物の報告義務を製造・輸入業者だけのものと理解した場合 — 条文は医療機器取扱者全員です
- 回収を先延ばしにして処分を大きくする場合 — 誠実履行時の減免条項(第31条第6項)があります
- 供給内訳報告と統合情報システム登録を同じものとして処理する場合 — 根拠条文も内容も違います
- 追跡管理対象品目なのに使用者層の記録(医療機関)までは押さえない場合
- 再評価の公告をホームページで確認する担当者がいない場合 — 申請期間を逃せば対応できません
進める前のチェックリスト
- 副作用の直ちに報告の経路(担当者・連絡先・様式)を社内手続きに入れたか
- 異物報告の手続きが別途あるか(副作用とは別の条文です)
- 回収計画書の様式と医療機関通報・患者通報の手続きを準備したか
- 供給内訳報告と統合情報システム登録の担当者と周期がそれぞれ決まっているか
- 自社品目が追跡管理対象か確認したか → 該当すれば医療機関側の記録協力体制
- 食薬処ホームページの再評価公告を確認する周期があるか
- 許可証に市販後調査期間が記載されているか確認したか
- 更新申請の窓口(満了270~180日前)を台帳に入れたか
許可後の義務は一人で全部押さえるのが難しい構造です。期限が直ちに・遅滞なく・定期に分かれ、窓口も違います。自社品目に実際にかかる軸がいくつで、いまどこが空いているかを、まず無料事前検討でご確認いたします。
よくあるご質問
- Q. 副作用はいつまでに報告しなければなりませんか?
- 医療機器法第31条第1項は、医療機器を使用する途中に死亡または人体に重大な副作用が発生したか発生するおそれがあることを認知した場合、これを食品医薬品安全処長に直ちに報告しその記録を維持するよう定めます。「遅滞なく」ではなく「直ちに」です。この義務は製造業者だけでなく医療機器取扱者全員にかかるため、販売業者・賃貸業者・医療機関も対象です。
- Q. 異物を発見したらどうしますか?
- 法第31条の5は、医療機器の内部や容器または包装から、正常に使用された原材料ではないもので使用時に危害が発生するおそれがあるか使用に不適合な物質を発見した場合、医療機器取扱者が遅滞なく食薬処長に報告するよう定めます。食薬処長は混入原因を調査し必要な措置を取り、国民健康への危害を防止するために必要であれば発見の事実と調査結果、措置計画を公表できます。
- Q. 回収をすると行政処分も一緒に受けますか?
- 法第31条第6項は、回収または回収に必要な措置を誠実に履行した製造業者等に対し、総理令で定めるところにより第36条による行政処分を減免できるとしています。つまり回収を先延ばしにするより誠実に履行する方が条文上有利です。ただし製造業者と輸入業者は人体に及ぼす副作用等を考慮して回収計画を策定し、あらかじめ食薬処長に報告しなければなりません。
- Q. 再評価はいつ受けますか?
- 法第9条第1項は、食薬処長が製造許可・製造認証をしたか製造届出を受けた医療機器のうち安全性および有効性について再検討が必要と認められる医療機器に対して再評価を行うことができ、結果により必要な措置を命じることができると定めます。会社が申請して受ける手続きではなく食薬処が対象品目を定めて公告する手続きであり、方法・手続き・基準は施行規則第19条が定めます。
