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ガイドライン品目別2026.07.20

口腔内スキャナー輸入許可ガイドライン

CEマーキングを取得した中国製口腔内スキャナー、韓国では何を改めて準備する必要があるのでしょうか。クラス判定から試験資料・CE資料の活用範囲、中国の製造元から取得すべき書類まで、輸入実務のボトルネックを順を追って整理しました。

要点サマリー — CEマーキングがあっても、韓国の手続きはゼロからのスタートです。口腔内スキャナーは通常クラスIIの範疇で検討され、審査が問うことはひとつ — 「口腔内を正確に、かつ安全にスキャンできるか」です。実務上のボトルネックは試験そのものよりも、中国の製造元から資料を期限どおりに引き出すことにあります。

口腔内スキャナーはどのクラスか

口腔内スキャナー(歯科用3Dスキャナー)は、光学方式で口腔内を撮影し、三次元の印象データを生成する機器です。品目分類とクラスはMFDS告示「医療機器の品目及び品目別等級に関する規定」の別表で確認し、韓国では通常クラスIIの範疇で検討されます。手続きの大枠はクラスII認証ガイドと同じです。

ただし注意すべき点があります。同じハードウェアでも、ソフトウェアが何を標榜するかによって検討範囲が変わり得ます。単に形状を取得・表示するレベルを超えて、う蝕検出や矯正解析のように診断的判断を支援する機能を打ち出すと、別品目または上位クラスでの検討対象になる可能性があります。初期段階で標榜文言を確定し、分類を固めておくことが全体スケジュールを左右します。

分類判断に役立つ近道がひとつあります。MFDSの医療機器データベースで同方式の既承認(既許可)製品を検索し、品目名・クラス・使用目的の文言を確認することです。韓国国内ではすでに複数の口腔内スキャナーが流通しているため、先行事例と自社製品の仕様を並べて比較すれば、分類リスクを早期に洗い出せます。

輸入許可のロードマップ — 3つの関門

輸入の許認可は、順番よりも並行設計が肝心です。関門は3つあり、重ねて進めるほど全体期間が短くなります。

関門 内容 実務ポイント
輸入業許可 輸入業者としての資格取得、品質責任者の選任 品目とは無関係に先行可能、まず着手すべき
品目認証 技術文書審査(クラスIIは通常、民間審査機関に委託) 試験成績書の準備がクリティカルパス
KGMP 輸入KGMP適合認定審査(海外製造所を含む) 製造元の協力と審査日程の確保がボトルネック

クラスIIの認証には通常約3~4か月を要します。ここに試験期間とKGMP審査が加わるため、試験の依頼とKGMPの準備を品目認証の申請前に走らせておくのが定石です。とりわけ海外製造所が絡む輸入KGMPでは、製造元からの資料返送スピードがスケジュールを支配します。「認証が下りてからKGMPを始めよう」という計画は、販売開始時期をその分だけ後ろへずらすだけです。

試験資料 — 審査が見る4つの軸

1. 電気・機械的安全性とEMC — IEC 60601-1とIEC 60601-1-2(EMC)が基本です。ハンドピース型機器という特性上、患者接触部(装着部)の定義と絶縁構造が審査のポイントになります。

2. ソフトウェア — 3D再構成ソフトウェアには、IEC 62304に基づくソフトウェアライフサイクル資料が必要です。とくに重要なのがソフトウェアのバージョン管理です。中国の製造元はファームウェアやアプリケーションを頻繁に更新することが多く、試験時のバージョンと申請バージョンが異なれば、それ自体が補完(追加資料要求)の理由になります。ネットワーク・クラウド連携機能がある場合は、サイバーセキュリティ資料を求められる可能性も併せて検討してください。

3. 生物学的安全性 — スキャナーチップは口腔粘膜に接触します。ISO 10993シリーズに従って接触部位・接触時間を分類し、細胞毒性などの評価資料を揃える必要があり、チップが滅菌・再使用の対象であれば、再処理(洗浄・消毒)のバリデーション資料まで範囲が広がります。ここで必要になるのがチップ材質の原材料情報ですが、中国の製造元が上流サプライチェーンの資料を保有していないケースも少なくないため、入手可能かどうかを契約前に確認しておくべきです。

4. 光安全性 — 口腔内スキャナーは光源を口腔内に照射する機器であるため、光生物学的安全性の評価が求められる場合があります。光源の仕様(波長・出力・曝露方式)によって適用規格と評価の深さが変わるので、製造元の光源データシートを早期に入手し、評価範囲を先に確定させてください。4つの軸のうち、実務担当者が最も見落としやすい項目でもあります。

これらと併せて、ISO 14971のリスクマネジメント資料とIEC 62366-1のユーザビリティ資料が技術文書の骨格を成します。

CE資料はどこまで使えるか

CE技術文書は優れた出発点ですが、韓国の審査を代替するものではありません。実務上は次のように分かれます。

  • 活用できる可能性が高いもの — IECEE CB制度に基づくIEC 60601シリーズの成績書、ISO 10993シリーズの試験報告書など、国際的に公認された試験資料。認定要件や有効期間の管理は製品・資料によって異なるため、選別基準は海外試験成績書の活用ガイドでご確認ください。
  • 参考にとどまるもの — CE証明書そのもの、EU適合宣言書(DoC)、欧州基準のみで作成された臨床評価報告書。韓国の審査要件に合わせた再構成が必要です。

「CEがあるのだから書類を出すだけでよい」という前提でスケジュールを組むと、ずれが生じやすくなります。まずは成績書を一件ずつ韓国の認定基準と突き合わせる選別作業が先です。この選別を契約前に済ませておくと、もうひとつの利点があります。不足している試験項目の量がそのまま初期投資の規模を決めるため、製造元との条件交渉(資料提供義務、試験費用の分担方法)で根拠のあるカードになるのです。

中国の製造元から取得すべきもの

中国製品の輸入で最も頻繁に崩れるのは、技術ではなくコミュニケーションです。契約段階で以下の4点を明文化してください。

  • 輸入許可の委任状(LOA) — 韓国での許認可権限を輸入者に委任する旨の、製造元署名入り文書。独占・非独占の条件も併せて整理します。
  • ISO 13485認証書 — 製造所の品質システムを示す基本的な証憑であり、KGMP審査の出発資料でもあります。
  • 技術文書の元資料 — 仕様書、回路図・構造図、材質情報(チップの接触部を含む)、試験成績書の原本。「要約版しか出せない」という製造元とは、審査の中盤で行き詰まるのがほとんどです。
  • KGMP審査への協力 — 海外製造所の資料提出と、必要に応じた現地確認に応じるという確約。審査段階で協力が途切れると、代替手段はありません。

さらに実務上のコツをひとつ挙げるなら、資料請求は文書リスト表の形で行うのが有効です。「技術資料を送ってほしい」という依頼に対して、中国の製造元はカタログレベルの資料を送ってくることが少なくありません。必要な文書名・バージョン・言語を表にまとめて契約書に添付し、回答期限を定めておけば、審査段階での空白をかなり減らせます。許可取得後の通関・販売段階の実務は別記事で扱うため、本稿では許可取得までの流れに絞ります。

構成品の設計 — どこまでを許可に含めるか

口腔内スキャナーは本体単独では販売されません。スキャナーチップ(交換用)、キャリブレーション治具、スタンド、専用ケーブル、運用ソフトウェアが一式で動きます。輸入実務では、どこまでを許可の構成に含めるかを初期に設計しておく必要があります。

構成品としてまとめれば別途の手続きなく一緒に輸入・販売できますが、技術文書に各構成品の仕様と試験範囲が反映されていなければなりません。逆に、構成から外したアクセサリーを後から輸入しようとすると、変更手続きや別途の検討が必要になる可能性があります。とくに口腔に直接触れる交換用チップは、材質・再処理の資料が本体の審査と併せて検討されるため、販売計画にあるチップの種類は最初からすべて挙げておくほうが安全です。PCやモニターのような汎用機器を構成に含めるかどうかも、製造元のマニュアル構成と突き合わせて整理しておくべき論点です。

よくある差し戻し・補完の理由

  • 標榜機能と品目分類の不一致(解析・診断機能を広告しながら単なるスキャナーとして申請)
  • スキャナーチップ接触部の材質情報が不十分、生物学的安全性の評価範囲の欠落
  • CE成績書の試験基準バージョンが韓国の認定基準と不一致
  • IEC 62304のソフトウェア資料がバージョン・機能仕様と齟齬(試験時のバージョン ≠ 申請バージョン)
  • 光源仕様の資料が不備で、光安全性の評価範囲を確定できない
  • 製造元の名称・所在地が認証書・成績書・LOA間で不一致(中国製造元の英文表記の混用)

着手前チェックリスト

  • 品目分類・クラスの確認、ソフトウェア標榜文言の確定
  • 輸入業許可の保有状況の確認、未保有なら直ちに着手
  • 製造元が保有する成績書リストの入手 → 韓国での認定範囲の選別
  • LOA・ISO 13485・技術文書の元資料の提供を契約書に明文化
  • スキャナーチップの材質・再処理方法に関する資料の入手
  • 試験が欠けている項目について韓国国内での試験依頼計画の策定
  • KGMP審査の日程と品目認証の申請時期の並行設計

同じ口腔内スキャナーでも、光源の仕様とソフトウェア構成によって準備すべき試験項目は変わります。モデル名とCE技術文書のリストさえあれば、無料事前レビューで活用可能な成績書と、新たに準備すべき項目の骨組みをご確認いただけます。

よくあるご質問

Q. CEマーキングがあれば韓国での許認可は免除されますか?
免除されません。CEは欧州市場の要求事項であり、韓国国内で販売するにはMFDS(韓国食品医薬品安全処、旧KFDA)の認証・許可とKGMPを別途取得する必要があります。ただし、CE技術文書に含まれる試験成績書の一部は、要件を満たせば韓国の審査で活用できるため、準備期間の短縮には大きく寄与します。
Q. 口腔内スキャナーはどのクラスに該当しますか?
韓国では通常、クラスIIの範疇で検討されます。ただし、スキャンデータを解析・診断するソフトウェア機能を併せて標榜する場合は検討範囲が変わり得るため、「医療機器の品目及び品目別等級に関する規定」に基づく品目分類の確認が最初のステップになります。
Q. 中国の製造元から必ず取得すべき書類は何ですか?
輸入許可の委任状(LOA)、ISO 13485認証書、技術文書の元資料(仕様書・試験成績書・材質情報)、そしてKGMP製造所審査への協力の確約です。契約段階でこの4点を明文化しておかないと、審査の中盤で資料の空白が生じ、スケジュールが後ろ倒しになるケースが少なくありません。

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