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ガイドライン手続き別2026.07.20

医療機器 技術文書 作成ガイド — 項目別の実務

形状及び構造から使用上の注意事項まで — 技術文書7項目で審査官が実際に確認するポイントと、補完(追加資料要求)の大半を生む「項目間の整合性」を守るための作成順序を整理しました。

要点サマリー — 技術文書の項目は7つありますが、審査の問いは1つです:「この文書の中の数値と記述が、互いに、そして根拠資料と一致しているか」。項目別の記載要領を覚えることより先に押さえるべきは、仕様書↔試験成績書↔表示記載(添付文書)の三角の一致であり、補完の大半はまさにここから生まれます。

技術文書は「翻訳」ではなく「再構成」です

製造元の仕様書とマニュアルを翻訳して貼り付ければ技術文書になりそうに思えますが、実際はそうはいきません。韓国の技術文書は「医療機器の許可・申告・審査等に関する規定」が定める項目体系 — 形状及び構造、原材料、使用目的、性能、試験規格、使用方法、使用上の注意事項など — に合わせて情報を配置し直す必要があります。海外向けブローシャーは「売るための文書」であり、技術文書は「審査を受けるための文書」です。同じ情報でも「どの項目に、どの数値で」書くかによって審査結果が変わります。

審査の主体もクラスによって異なります。クラスIIは通常、MFDSが指定した技術文書審査機関が、クラスIII・IVはMFDSが直接審査します。手続き全体の枠組みは申告・認証・許可の違いで整理しています。なお韓国制度は日本の「承認」一本ではなく、申告(クラスI)・認証(クラスII)・許可(クラスIII・IV)の3段構造である点にご注意ください。

もう一点、押さえておきたいことがあります。技術文書は一度書いて終わる文書ではなく、許可取得後の変更管理のベースラインになります。いま記載した原材料・性能・使用方法が後で変わったときに変更許可・変更認証の対象になるかをまず判断することになるため、最初に書く段階で「変わる可能性のある仕様をどこまで特定して書くか」も戦略の一部です。

項目ごとに審査官が確認すること

項目 何を書くか 審査官の問い
形状及び構造 外観・寸法・定格、作用原理 この製品は何であり、どう動作するか
原材料 部分品ごとの材質・規格 人体接触部はどこで、安全か
使用目的 適応・使用対象 標榜範囲を資料が裏づけているか
性能 定量化された性能数値 数値ごとに成績書があるか
試験規格 試験項目・基準・方法 規格選択の論理は妥当か
使用方法 準備→操作→保管の手順 安全に使えるよう案内しているか
使用上の注意事項 警告・禁忌・副作用 製造元IFUと一致しているか

1. 形状及び構造(作用原理を含む) — 審査官が製品を最初に理解する場所です。外観写真や図面、寸法・重量、電気定格、各部の名称を記載し、作用原理では「どのような物理的原理で使用目的を達成するのか」を述べます。作用原理は長く書くことではなく、正確に書くことが重要です — ここで説明した原理が使用目的・性能と論理的につながらなければ、後続のすべての項目が揺らぎます。構成品が複数ある製品なら、本体・アクセサリー・消耗品を漏れなく列挙する必要があり、ここに書いた定格・寸法が後の性能や成績書と食い違えば、それ自体が補完の理由になります。

2. 原材料 — 核心は人体接触部です。部分品の名称・材質(化学名または商品名)・規格を表で整理しますが、接触部位と接触時間がISO 10993シリーズの生物学的安全性評価の範囲を決めます。原材料表が不十分だと、生物学的安全性資料の要求が連鎖的についてきます。実務上のボトルネックはサプライチェーン上流(原料メーカー)の材質資料の入手です — 製造元でさえ原料メーカーの商品名しか把握しておらず化学組成を知らないケースが多いため、輸入案件ではこの資料請求をプロジェクト初期に走らせておくことがスケジュール管理の要になります。

3. 使用目的 — 許可の範囲そのものです。性能資料と根拠がカバーする範囲だけを書くのが原則で、「緩和」を「治療」に変える単語ひとつが品目分類と要求資料を変え得ます。マーケティングで使いたい文言ではなく、立証できる文言を書く場所です。通常は類似製品の既許可事例で使用目的の文言を確認し、自社製品の根拠範囲と比較して確定するのが安全なアプローチです。

4. 性能 — 定量表記が原則です。「優れた測定精度」ではなく「±○%以内」のように数値で書きます。そしてここに書いたすべての数値は、試験成績書で立証できなければなりません。裏を返せば、立証できない数値は書かないほうが安全です。性能項目は自慢する場所ではなく、約束する場所です。ブローシャーのスペックをそのまま書き写した結果、成績書にない数値が紛れ込む — これが輸入実務で最も多い失敗です。

5. 試験規格 — 規格の選択には優先順位があります。当該品目の基準規格(MFDS告示)があればそれが優先され、なければIEC 60601-1、IEC 60601-1-2(EMC)などの国際規格を、それでも収まらない固有の性能には自社規格を適用し、それぞれの選択の論理を説明できる必要があります。試験項目・基準・試験方法の3列構成で書き、各項目が成績書の実際の試験条件と一致しているかを確認します。海外の成績書を活用する際の受け入れ条件は海外試験成績書の活用ガイドで扱います。

6. 使用方法 — 使用前の準備、操作手順、使用後の保管・管理という流れで書きます。マニュアル全体の要約ではなく「安全に使うための手順」を抽出する作業であり、ここに書いた手順が表示記載(添付文書)と食い違ってはいけません。再使用製品であれば、洗浄・消毒の手順、消耗品の交換周期まで含めておくと、審査官からの追加質問を減らせます。

7. 使用上の注意事項 — 警告・禁忌・有害事象を記載します。製造元IFUにある警告が韓国の技術文書から抜け落ちれば補完の対象になり、逆にIFUにない内容を独自に加えても整合性の問題が生じます。原則はひとつです:根拠文書(IFU・リスクマネジメント資料)にあるものを、韓国の記載形式に合わせて移すこと。

この7項目のほかにも、製品によっては貯蔵方法及び使用期限(滅菌製品・消耗品では特に)、製造方法などが追加で求められることがあります。どの項目が必須かは品目とクラスによって異なるため、申請前に当該品目の記載要領をまず確認するのが順序です。

項目は7つ、審査は1つ — 整合性

技術文書審査で実際に時間がかかるのは、各項目の完成度ではなく項目間の突き合わせです。仕様書から来た数値(形状及び構造・性能)、成績書の試験結果と条件、表示記載として出る文言(使用目的・使用方法・注意事項) — この3つの軸が互いに一致していなければなりません。電気定格が仕様書ではDC 12V、成績書では12.6Vになっている、という程度の些細な差でも説明を求められ、説明に窮すれば再試験につながります。

そこで実務のコツは、作成順序を逆にすることです。文書を先に書いて成績書を後から合わせるのではなく、確保済みの成績書の数値を基準に性能・試験規格を書き、その範囲の中で使用目的を確定するという順序が補完を減らします。まだ成績書がない項目については、試験を依頼する前に技術文書ドラフトの数値を試験機関と共有し、試験条件を合わせておくことが再試験リスクを下げる方法です。

補完要求を受けると、通常は定められた期間(一般に30日単位、延長申請可)内に資料を提出することになりますが、この期間は処理期間に算入されないため、補完が繰り返されるほど全体スケジュールがその分だけ後ろにずれます。クラスIIの認証は通常3〜4か月程度と案内されるのに、実際の体感期間がそれより長くなる理由の大半はここにあります。クラス別手続きの詳細はクラスII認証ガイドをご参照ください。

よくある差戻し・補完の理由

補完理由の類型は製品ごとに異なりますが、パターンは驚くほど繰り返されます。以下は実務で頻繁に遭遇するものです。

  • 仕様書・成績書・表示記載の間の数値の不一致(電気定格、寸法、性能値)
  • 性能項目の定性的表現 — 「優れた」「速い」など根拠のない性能主張
  • 使用目的の過大記載 — 性能・臨床資料が裏づけない適応の記載
  • 人体接触部の原材料情報が不十分(サプライチェーン上流の資料が未入手)
  • 試験規格選択の論理が未記載 — 基準規格の有無を確認せずに国際規格のみを適用
  • 製造元IFUの警告・禁忌が韓国側の注意事項から欠落
  • 構成品リストの不備 — 実際の販売構成に含まれるアクセサリーが形状及び構造から抜けている

着手前チェックリスト

  • 品目名・クラスの確認、当該品目の基準規格(MFDS告示)の有無の確認
  • 製造元の仕様書・図面・IFU・試験成績書の原本の入手
  • 性能項目に記載する数値のリスト ↔ 成績書の数値の対照表の作成
  • 人体接触部リストの確定、材質資料(原料メーカー分を含む)の入手
  • 使用目的の文言の確定 — 標榜範囲と根拠資料の範囲の一致を確認
  • 表示記載(案)のドラフトと技術文書項目のクロスレビュー

技術文書は分量の勝負ではなく、整合性の勝負です。よく書かれた100ページより、数値の合った30ページのほうが早く通ります。製造元の仕様書と保有している成績書のリストさえあれば、無料事前レビューにて、どの項目で補完が出る可能性が高いかを先に指摘いたします。

よくあるご質問

Q. 技術文書は誰が審査するのですか?
クラスIIは通常、MFDS(韓国食品医薬品安全処、旧KFDA)が指定した技術文書審査機関(KTR・KTL・KTCなど)が、クラスIII・IVはMFDSが直接審査します。まず自社製品のクラスを確定することが、すべての準備の出発点です。
Q. 製造元の英文仕様書を翻訳してそのまま提出してはいけませんか?
翻訳だけでは不十分です。韓国の技術文書は「医療機器の許可・申告・審査等に関する規定」が定める項目体系に沿って情報を再構成する必要があり、性能は試験成績書で立証できる定量的な数値として書き直さなければなりません。
Q. 補完要求を受けた場合、期間はどれくらい与えられますか?
通常30日単位で補完期間が与えられ、理由があれば延長申請が可能です。ただし補完期間は処理期間に算入されないため、補完が繰り返されるとその分だけ全体スケジュールが延びます。

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